第20回を超えたこのシリーズ、そろそろネタもなくなるか?と、毎回ドギマギしているのだけれど、意外とここ数年でも実はいろんなところに行っていて。(本当は北海道とか東北シリーズもやりたいのだけれど、行ったのがあまりにも昔過ぎて、紹介できる写真がないので保留中)

というわけで、今回は3年ほど前に行った、日本の離島の中で最大の島、佐渡島をご紹介します。

かなりの島好きの私としては、この島にはいつか行きたいとずっと思っていたのだけれど、なかなかそのキッカケやチャンスがなく。けれど突然佐渡行きの話が舞い込んできて、じゃあ!と行ったのが2010年の真夏。島での交通手段に「レンタルバイク」という選択肢があると聞いて、いつか愛車のカブで日本一周したいと思っているカブライダーとしては、これは絶対それでしょ!ということで、島をぐるっと巡る旅に出たのでした。

佐渡島は、周囲262.7kmの島。なかなか1日2日でバイクで巡るには厳しく、かなりのハード行程になったのだけれども、島の北部と南部の雰囲気の違いがあったり、いわゆる「トキ」と「佐渡金山」「拉致被害者・・・」の島というイメージとは全く違う素晴らしい場所をたくさん発見できました。今回はそんな場所をすこ~しご案内。

新潟港からフェリーで島の中部・両津港へ。そこで原付バイクを借りて(こだわってカブタイプ)一路北へ。旅人は必ず先っちょを目指す。ということで、島の先端へ。

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山が険しい佐渡島。海沿いの細い道路を走り、島の先端をぐるっと廻って大野亀と呼ばれる場所にたどり着きました。
ここは、古くから聖地とされてきた場所。見るからに神聖な雰囲気が漂っています。

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超断崖絶壁の海岸。絶景です。看板によると6月にはオレンジ色のカンゾウの花に覆われてそれはそれは美しいそう。

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看板の上部に英語で One of Japan's three Largest Rocks って書いてるけど、これ英語合ってる?・・・・

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大野亀を過ぎると、一気に県道45号 佐渡一周線の道幅が狭くなってきます。島の観光地は南部に集中しているせいか、あまり車も走ってません。

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バイカーには厳しい小雨交じりの天気。けれどそのぶん荘厳なイメージは満点でした

国道を逸れて走ってみると、こんな地元の生活にも触れることができます。
COOPでもない"佐渡農協生活センター"。し、渋いっ!

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島の旅のよさは、こういう何とも言えない味わいを見つけることにもあるな、といつも私は思います。

島の中部から南部にかけては、(天気のせいもあるかもしれないけれど)一転明るい雰囲気が漂います。国道沿いは、よくある地方都市の全国チェーンのドラッグストアや外食チェーンなどのお店が並び、ここが島であることを忘れるほどに発展しているし、宿泊施設などもこのあたりに集中してあります。

けれど、ほんの少しそうした「観光地」を離れてみるのが、島の良さを味わう大事なポイント。

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島の中部にあった海岸と謎の店と灯台。

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イカ、干してます。

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島の中部の海水浴場は、キャンプ場になっているところもあって、こんなところでテント張って過ごせたら楽しいだろうな〜と思いながら、バイクを走らせました。ここは誰もいない貸切の海岸。

島の南部には小木(おぎ)という比較的大きな町があって、世界的に有名になった佐渡太鼓の「鼓童」の本拠地もこのあたり。毎年、佐渡島では、8月の終わりにアース・セレブレーションという大きなフェスティバルがあって、実は世界からこの地を目指してやってくる人も多いという。1988年からというからもう20年以上続けられていて、島の町の人たちともうまく融け合って、素晴らしい芸術祭らしい。今年は8月23〜25日の日程で行われるようなので、気になる人はレッツゴー(死語)ですね。

そんな、小木の町で是非見に行ってもらいたいのが、宿根木(しゅくねぎ)と呼ばれる集落。

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ここは、なんかのロケ地用に作ったのですか?と言いたくなるほどふるーい建物がそのまま残されています。

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廃屋、萌え〜!(あ、もしかして現役なのかな?)

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宿根木は、佐渡金山繁栄期の江戸寛文期(1661~1678)に回船業の集落として発展した「千石船と船大工の里」で、入り江の狭い地形に家屋が密集する町並みは、独自の板壁の連続で、石畳の路地も昔のままだそう。国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている貴重な町並みです。
こじんまりとした集落だけど、細い路地がくねくねと続いていて、それがなんとも迷路のようで面白い。

小木から両津までは、国道も通っていて島で一番開けている場所だけど、天邪鬼の私は敢えて県道を。

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ほとんど車が走っていない道に、こんな建物を見つけました。なんかの工場?

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島の交通手段はたぶんレンタカーが一般的で、町の集落をまわるには電動アシストサイクルなどもあるようです。もちろんフェリーで自家用車ごと渡ってしまうのもOK。

けれど、もし時間が余ってて、いろんな場所をのんびり見てみたい、と思われる方は、こ〜んなバイクでめぐってみるのもオススメです。(ちなみに島はものすごい高低差があるので、自転車はよっぽど・・・の人でない限りおすすめできません!が、こんなキャンペーンがあるらしいのでチャレンジャーは是非☆彡)

一般的な佐渡を紹介するときに出てくる「トキパーク」も「佐渡おけさ」もなーんもない聖地紹介ですが、島好きの私にとっては、そんな観光地よりも、こうした自然のどまんなかに入りこむような、そんな旅をこの島ではやってもらいたいな!と思いました。行けなかったけど、島の中央部にある森は本当に素晴らしいし、島の南東部には棚田がモリモリ。灯台好きにはたまらないステキ灯台がいくつもあるのもこの島の特徴。

・・・なんだか私ももう一度行きたくなってきてしまいました(笑)。


 佐渡島への行き方

 新潟港か直江津などからフェリーかジェットフォイルでアクセスするのが一般的。
 到着する港が複数あるので、どの場所を中心に行きたいかを考えておかないと、
 大きな島なので、1日で到底回りきれる距離感覚ではなく、そういう意味では
 「島」という概念を取っ払って考えておかないと大変な目に遭います。
 (私は1日130km位バイクで走ることに)
 また、新潟港あたりも面白い施設がたくさんあるのでそちらも同時にオススメです!