今回の超私的聖地巡礼は、奈良市にある奈良公園。
奈良、といえば鹿。鹿といえば奈良公園。というほどに、私の中では奈良と鹿はセットになっていますが、これは日本国民の常識的知識、ということでいいのかどうかはわかりません。最近は奈良というと「せんとくん」という強力キャラもいますが、私の中ではとにかく奈良といえば、鹿。

行かれたことはご存知かと思いますが、奈良公園にはワラワラと本当にどこにでも鹿が出没します。約1200頭が暮らしていると言われています。この鹿は、あまりにたくさんいるので飼われているかのようですが、まったくの野生のニホンジカ。しかも国の天然記念物として大切に保護されている上に、春日大社の創建(768年)の頃から神の遣いとしてやってきたとされている神様のような存在なのです。

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シカさん

古都・奈良には、奈良時代(710〜794年頃)に建立された社寺が多く残されており、京都とはまったく雰囲気が違う、のんびりとした空気が漂っています。その中心部にあるのが近鉄奈良駅から少し歩いたところにあるこの奈良公園

奈良公園はかなり広く、その中に東大寺や興福寺、正倉院や春日大社などの社寺が点在しています。奈良公園の裏側にあるのが若草山で、この周辺に鹿が生息しているのです。

行けばもうビックリするくらい鹿だらけ。しかも超我が物顔で歩いているので、道路にも普通に飛び出してきたり寝てたりします。それはまるでインドにいる牛のような・・・。

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ひなたぼっこ中・・・

周辺のお土産屋さんなどでは「鹿せんべい」が売られており、これを買うと(買おうとするそぶりを見せると)鹿がわらわらと寄ってきます。正直コワイくらい寄ってくるので、何も知らない子どもが「わーい!鹿さんにお食事〜」なんてイメージで鹿せんべいを持つと、鹿さんが寄って来すぎて怖くて泣いてしまう、なんて図もあったりします。鹿せんべいを見つけるやいなや、鹿が「お辞儀」をする図もなかなかかわゆいです。(数が多すぎなければ!)

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「なんかクレ」の図。
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シカせんべいを買うと誰でもこんな風に人気者に!

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みんなでのんびり。

奈良公園にいると、芝の上にコロコロまるい鹿のフンがあって、ゆっくり座ったりもできないほどですが、公園ではそのフン掃除はしていないそう。なぜなら、フン虫というのがいて、芝の肥料になったり、フンをエサとした生態系が成り立っているから。また、芝を鹿が食べるため、公園の芝刈りは不要。経費節減?にもなっているそう。

子どもの頃は、あまりの鹿の多さにビビって、好きというよりは「お弁当ゆっくり食べられなくて大変!」といったイメージがありましたが、大人になって訪れると、鹿一匹ずつ顔も違ってとにかく面白い。人間に慣れているので、写真も撮り放題!



youtubeの動画より。しかしものすごい数です・・・



奈良公園の中に東大寺はあります。東大寺といえば、何はなくともやはり大仏。大仏殿は、世界最大の木造建築なのだそう。752年に建立された盧舎那仏坐像は、やはりとにかく大迫力。

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大仏殿の前でかわゆいポーズをとるシカさん


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明治〜大正年間にかけて修理・再建された大仏殿。120年位大仏が野ざらしだったこともあるそう!

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大仏さまは写真撮影してもよいのです☆三脚のみ使用不可。

拝観順路を巡っていると、大仏の大きさを知ってもらうため(?)柱に穴が空いている場所があります。この穴は、大仏の鼻の穴と同じ大きさ。体感できるようくぐることもできます。

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子どもなら余裕〜

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大人は・・・

東大寺の中には南大門や二月堂などの建造物も見事ですし、とにかくスケールの大きさに圧倒されます。また、公園内には興福寺というお寺もあります。こちらは五重塔が有名で、猿沢池から眺める興福寺五重塔は、日本を代表する風景といってもよいのではないでしょうか。なんとも風情があります。

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猿沢池から望む興福寺五重塔

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東大寺二月堂から奈良市街を望む

さらに、奈良公園は春日大社と若草山に続いていきます。春日大社の歴史は古く、768年に建立され、その後伊勢神宮と同様、20年に一度の式年造替によって、お社を建て替えてその伝統を今に伝えてきました。春日大社の裏にある原生林とともに奈良の文化財として世界遺産にも指定されています。

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春日大社のご神木
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東大寺などより奥にあるので人も少なめで雰囲気のある春日大社
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もちろんここにもシカさまはおられますです

春日大社に向かう参道や、ならまち方面に抜ける小道など、このあたりの緑はとても豊かで、歩いていてとても気持ちがよい場所。国立奈良博物館など見どころも多いですが、とにかくのんびりゆっくり、シカさんと戯れながら1日過ごすと、日本古来の豊かな自然と社寺の見事な調和に、こころが和むこと間違いなし!修学旅行や遠足で行ったことあるよ!という方も多いある意味「ベタ」なエリアですが、大人になってから個人で行くとまた全く違う雰囲気や気分を味わうことのできるエリアだと感じます。

また、ならまち呼ばれるエリアには、今たくさんの古民家を利用したカフェや小さなお店などがあり、それらを巡るのもまた楽しい時間。お気に入りの小道やカフェをぜひあなたも見つけてみてくださいね。

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ならまちのカフェブームの先駆者的存在、カナカナ

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ならまちにはこうした古い民家を改造したカフェやギャラリーが点在しています

 
 奈良公園周辺への行き方

 奈良公園へは近鉄またはJRにて奈良駅下車バスまたは徒歩8分程度で公園エリアの端に
 たどり着きますが、公園内はとても広いので、100円で乗れる循環バスなどを随時
 利用してまわるのがおすすめです。 
 奈良公園クイックガイドhttp://nara-park.com
 
 東大寺や春日大社などでは、3月の東大寺二月堂の「お水取り」をはじめ、多くの行事が
 催されていますので、そうした情報を事前にキャッチして、それにあわせて来訪計画を
 練るのも面白いかもしれません。シカは年中どこにでもいますので、絶対に会えます!