いきなりですが、これなんだと思いますか?
見ればわかる!という方もおられるかもしれませんが、これは鍾乳石と呼ばれる洞窟の中にある何万年もかけてつくられた自然のアート作品です。この巨大鍾乳石は、山口県美祢市、秋芳洞(あきよしどう)と呼ばれる日本の特別天然記念物に指定されている洞窟にあります。この鍾乳洞、なんといっても規模がすごいんです。
Wikipediaによると
"鍾乳洞としては日本最大規模。洞奥の琴ヶ淵より洞口まで、約1kmにわたって地下川が流れ下っている。1990年前後の洞窟探検家による琴ヶ淵から奥への潜水調査の結果、東方約2.5kmにある葛ヶ穴まで連結し、総延長は約8,500mに達した。"とあり、とにかくその規模、大きさともに圧巻もの。
鍾乳洞入口から出口(複数ある)まで約1km、整備されていますが、それ以外にも冒険コースと名付けられた脇道や、洞窟から地上の秋吉台出口まで100mのエレベーターを通すなど、なんともスケールが日本離れしているのです。
これなんてトルコの世界遺産、パムッカレみたいじゃないですか?
(参考写真:パムッカレの石灰棚)
まあ、ちょっと言い過ぎかもしれませんが(笑)。
入口から出口まで、歩いて約1時間。ですが、脇道や探検コースなどもあり、そのスケール感は写真では伝わりそうにもありません。最近は照明デザイナー石井幹子さんによる照明LED化&プロデュースが入ったためか、洞窟内のいろいろな鍾乳石の光り方がかなりデザインされていると感じました。
エレベーター前から洞窟を見る。ほんの一部ですがそれでも圧倒的なスケール感
ただし、秋芳洞の設備そのものはなんとも昭和な感じで、ひとつひとつの名所?の名前や案内看板・音声案内など、私が子どもの頃に連れて来られた時と変わってないんじゃないか?というようなレトロ感。フジカラーって書かれたベンチとか懐かしすぎる。
更に今回は、豪雨の中訪問したため、入場してから1時間後、あっという間に通常の入口が冠水してしまい、ここから先は立入禁止です、と言われるなど、ものすごい自然の脅威を感じました。
秋芳洞のなりたちは、秋芳洞スペシャルサイトに詳しいですが、
秋吉台の地盤が石灰岩でできていて、岩の割れ目から雨水などが流入し、更に侵食などでどんどんそれが大きくなって出来上がるという仕組みなのだそう。その営みは最近の調査で数十万年にも及ぶとわかってきました。人類の歴史をはるかに上回る地球の造作なんだと思うと、より洞窟の存在に驚きと尊敬の念が湧きます。
※秋芳洞スペシャルサイトより
エレベーターから外に出るとそこは別世界。
草原とところどころ出ている岩のポコポコした様子がなんともかわいくステキです。
※フリー画像より拝借
と言いたいところでしたが、実際はこちら↓・・・。豪雨で通行禁止になるほど、というか視界ゼロ!危険!と思う瞬間があったほどの雨だったため、秋吉台の展望台から見えた景色は霧一色。それはそれで幻想的ではありました。
秋吉台から更に北上すると山口県の日本海側に出ます。城下町萩まで車で約1時間ちょっと。最近はバイパスなども整備されて行きやすくなりました。韓国からなどの外国人団体旅行客も多い秋芳洞でしたが、この規模は本当に世界に誇れるんじゃないか?と思うほどの場所だと思います。
今はあまり全国的には知名度第一級とは言いにくい観光地ですが、(古くからの観光地なので、廃墟ホテルなどもあるし微妙に歩かされたり客引きがいたり謎の商店街があったりする)これから先、一度ブームが来て去って、更に復活する観光地の可能性として、注目すべき場所じゃないかな?と感じました。
素朴な風景がまだまだ残っています
秋吉台には、秋芳洞だけでなく大小さまざまな鍾乳洞があります。
景清洞もそのひとつですが、そこでは探検コースというのがあって、長靴とランプ片手に約1時間自然のままの洞窟を探検できるコースがあるらしいです。予約不要でヘルメットとランプは貸し出してくれるそうなので、次回は是非体験してみたいなと思いました。景清洞探検コース詳細
スピリチュアルスポットと呼ばれている場所だけが聖地ではありません。神社仏閣や知られているパワースポット以外にも、ここすごい!っていう場所は日本にはまだまだ溢れています。あなたも是非あなただけの聖地をみつける旅に出てみませんか?
秋吉台と秋芳洞への行き方山口県美祢市が頑張ってます!ということで、サイトが充実。カルストドットコム公共交通機関でのアクセスがやや不便ですが、山口駅や東萩駅などからバスが出ています。山口駅からのバスは本数も多く便利。また秋吉台周辺ではバスだけでなく、かるすとタクシーと呼ばれる乗合タクシー(安い!)が使えそうです。(冬期除く)また、秋吉台には国際芸術村と呼ばれるステキなアート施設もあります。萩へも近いので萩で泊まって1日遠足的に秋吉台を回るコースもおすすめします。