今回の超私的聖地巡礼は、日本の最南端!沖縄県八重山諸島のひとつ、波照間(はてるま)島です。有人島として日本の一番南にあるこの島は、面積12.77km、自転車でもグルっと廻れるほどの小さな島です。
この島へは、八重山の玄関口石垣島から船で1時間。2008年までは空路もあったのだけれど、採算が合わなかったのか、今では荒れたの滑走路と小さな建物が残るばかり・・・。きっとあと数年すると廃墟マニアには受ける風景になっていきそうな予感。(空路再開してもらいたいですけどね!念願の空港だったようなので・・・)
この島の産業はサトウキビ(製糖業)。島のあちこちに自分の背よりも高いサトウキビが生えています。刈取り後は草原みたいになってて、そこに放し飼いのようでいてヒモで繋がれているヤギがウロウロ。
ヤギさん。
仲良くなった地元出身の宿のおにいに、あのヤギさんは何故飼ってるの?と聞くと、「食べるため」と言われ、きゅ〜んと切なくなりましたが、それが島の現実。
確かに、ヤギ汁(ヒージャー汁)ってのが沖縄料理にありますから・・・。
そして、波照間島のなによりも凄いのが、この海の色。
ここは、ニシ浜と言われる島の北側にある浜。(沖縄方言では北=ニシ。ややこしいけど!)
白い砂とサンゴが入り交じる浜です。この淡いブルーを「ハテルマブルー」という人もいるらしい。けれど、海に入ってみるとわかりますが、ビーチに入って手前側は、サンゴが死滅しています。その残骸が白くなって、この色を作っているという部分もあるそうです。
何も知らずにただこの色を見るとキャー!!ですが、そういう見方を知ると、いろいろと考えさせられますね。
でも、やっぱり海に入ってこの色を見るとキャー!!ってなります。
水に入ってすぐのところにこういう魚が泳いでます。
そして、生きたサンゴを見るためには、かなり泳いでアウトリーフ近くまで行く必要があります。リーフの外は、いきなりガッツリ30m以上落ちていて、流れもあって危険なので、通常は近づいてはいけないエリア。
その手前あたりまで、スキンダイビングで潜りながら水中散歩した風景がこちら。
エダサンゴ、テーブルサンゴのまわりに熱帯魚が集まって、これぞ生きた海!という感じがします。サンゴは、足で踏んでしまうと死んでしまうので、ビーチの手前側のサンゴは、そのせい(だけではないかもしれませんが)で、やはり弱ってしまっているようです。
島のサトウキビを使った産業は、製糖業(黒糖作り)の他にもうひとつ、泡盛があります。 泡盛の中でも製造量が少なく入手困難といわれる「泡波」という泡盛を、島の酒造所ではつくっているのですが、この工場を見て納得。そりゃ〜量作れないでしょ!っていう小ささ。
この小さな看板の下に軽トラが一台止まってて、ここで全量を作っているのだそう。
島の売店に、その日出荷できる泡盛が、時々入ってきますが、島にいる観光客などに買い占めされるような、そんな状態でした。
けれど、島の民宿に泊まると、その幻のはずの泡波がサービスとばかりにモリモリと出てくるところもあるのがこの島のいいところ。
ダイビングサービスをやっている宿をはじめ、島には有名な安宿も数件あり、自転車でのんびり廻れる島の大きさや、スキューバダイビングをしなくても、浜でシュノーケリングするだけでも楽しめるからか、長期滞在している旅人系の人たちもけっこういるようです。
島には、その居心地のよさから移住してくる人もいて、そんな人たちが、イイカンジのカフェや売店、かき氷屋さんをやっていたりして、そのお店があることが、この島のよさをまた引き立てているような気がしました。
波照間酒造所
島のシブい住宅とスーパーカブの組み合わせ
島をサイクリングするとこんなさとうきび畑の間の道を通ることもできます。
私は1日はレンタルバイクでツーリングしましたが、それもまた爽快でした。ほとんど車は通らないので(信号機はない)道路はほぼ貸切です。
もうひとつ、波照間の自慢は、日本でほぼ唯一「南十字星が見られる」こと!日本最南端ならでは、更に周りに灯りがないため、夜の星空観測には持ってこいの場所なのです。そのため、最南端の碑がある近くに、星空観測タワーといわれる小さな天文台のようなところがあります。
私が行ったときは、ちょうど半月くらいの月が出ていて、あまり観測には適さない状態でしたが、それでも南十字星が見られて感激しました。(結構しょぼいというか・・・小さいんですよねー迫力ある一等星、はくちょう座ぐらいのイメージをしているとがっかりするかも(笑))
汚水タンクもこの通り!
島の生活は、定期船とともにあります。
毎日こうして、人が来て、去っていき、そしてまた人が来る。
そしてこの船とともに郵便物や宅配便も来る。
そんな島の生活、半月ぐらいゆっくりやってみたいな〜・・・なんて思える島が、ここ波照間島です。何かが劇的に大きく変わる!とか、すごい聖域がある!とかそういう激しさはないのですが、なんとなくじんわりと自分の人生に、あとから優しく響いてくる、そんな島のようにも思いう場所です。
八重山そば(ソーキ)も是非!!
波照間島へのアクセス&島のおすすめどこから向かうにも、まずは八重山諸島の玄関口ー石垣島を目指してください。石垣島の港ー離島桟橋からは、各島への定期便が毎日出ています。波照間島へは高速船(かなりぶっ飛ばすし揺れる)で約1時間。1日5便程度。石垣島へは沖縄本島・那覇経由か、または今後新空港ができて増えるであろう石垣行き直行便を利用して向かうのが定番。一度やってみたいマニアックなルートが、大阪ー沖縄ー石垣ー台湾の船便。毎年存続が危ぶまれている国際航路。(今はどうかな?)島では、本文中にもチラリと書いている、かき氷屋さんパーラーみんぴかに是非行ってみてください。島は狭いので、現地に行って聞けばずぐ場所はわかります。ニシ浜シュノーケリング後にみんぴかで波照間黒糖かき氷を食べるのが最強ハッピーコースですよ☆彡