屋久島。それは私にとってとても特別な島。

なぜなら、私が初めて一人旅をした場所であり、また、その旅があまりにも面白くて、その体験を伝えたくなって、自分のホームページというものを初めて作ったきっかけになった島だから。

そんな大好きな島だったのに、一度行ったきりで何故かご縁がなく、今月(2012年2月)、偶然が重なって、本当に久しぶりに行くことになったのです。今回はそんな屋久島の自然とその魅力について、お伝えしてみたいと思います。

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ヤクシカ。いっぱいいました

屋久島は、鹿児島から約60km離れた周囲132kmの丸い島で、洋上のアルプスとも呼ばれるように、九州最高峰である宮之浦岳は2000m近い標高を誇る、山と森の島。日本で一番最初に世界自然遺産に指定された(1993年)ように、その自然は素晴らしいもの。縄文杉という樹齢7200年ともいわれる屋久杉(樹齢1000年以上のものをそういうらしい。桁が違うね、ケタが)が有名で、最近はその縄文杉目指して歩く人たちが、ピーク時には1000人も!いるらしいです。細い登山道は行列、杉の木は見たらすぐ撤収!みたいな感じらしい。トイレなんかも大変だろうなあ・・・。

しかし、そんな屋久島にもオフシーズンが。それが1月2月の冬。
屋久島の山は高いので、麓はガジュマルの林やモンステラが自生するほど暖かい気候でも、山に登れば積雪が。日本で一番南にある積雪のある場所なのだとか。

森は日本中どこでもあるように思えるのに、どうして屋久島のそれはより魅力的に思えるのでしょうか?ちょっと考えてみました。
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ウィルソン株と呼ばれる古い切り株の中から撮影したハート形

ひとつには、森の様子が「暗くない」ということが挙げられるかなと思います。

苔むす森とも言われている屋久島の森は、雨が多く、屋久杉を始めとする原生林の森には多くの苔がびっしりとついています。苔なんて数種類しかないんじゃないかと勝手に思っていたけれど、なんと200種類以上あるのだとか。そして屋久島にしかない固有種も16種類。これは苔界(ってあるのか?)にとってはとても珍しいことなのだそうです。

木の緑色に加えて、この苔の緑色が映えて、森を明るく見せているのかな?
そんな感じがあります。
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また、急激な標高差から、ダム化を逃れた澄んだ川が残っており、その水はどこまでも青く美しい。この渓谷と森の様子が、日本特有の繊細な美しさを呼び起こすのかなあ?と。

と、こうして冷静に分析しても、どうもあの屋久島の森の魅力を描いている気がしないのです。屋久島に行くまで、私は山登りというのが好きではありませんでした。母が山によく登る人で、よく連れられていたのですが、「あんなに大変でしんどいものをどうしてわざわざ好き好んで行くのだ?」と真面目に思っていました。

それが、屋久島の森を歩いたときにガラリと変わって、もっとこの森の先へ行きたい、もっと歩きたい、宮之浦岳にも登ってみたい、と思うようになったのだから驚きです。
やはり木霊が住んでいるのでしょうか?(実はもののけ姫、観たことないんですが)

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そしてもうひとつ、屋久島には素晴らしい海があります。
ウミガメの産卵数が世界有数の浜、永田のいなか浜をはじめ、日本で一番魚類の種類が多く観察される、栗生の浜など、亜熱帯から温帯の魚が勢ぞろい。海好きの私がシュノーケリングにハマったのもここ屋久島でした。

世界遺産登録、もののけ姫ブームで、ピークシーズンにはものすごい数の観光客が訪れ、いろいろと問題も出ているそうですが、静かな屋久島を楽しみたいなら、ぜひ冬もおすすめです。雪の縄文杉、なかなかに神秘的。
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また、最近は都会からの居住者も多く、あらゆる種類の宿泊施設や、ちょっとしたカフェも増えています。雨が多くのんびりできる日がある人は、そんな山や海以外の屋久島を楽しむのもよいかもしれませんね。

 ○屋久島プチ情報○
 
 屋久島の情報はポータルサイト屋久島リアルウェーブで知るのが確実!
 その昔、私が書いた旅行記「ちょこっとばななん放浪記」も未だに
 紹介されていてうれし恥ずかしな気分です。
 
 屋久島の森でおすすめなのは、ヤクスギランドの150分コース。
 ここは穴場です。名前とは裏腹に本格的な森。白谷雲水峡から太鼓岩に
  行くコースもとてもよいですが、ピークシーズンには混んでいることも
 あるそうなので、要注意。
 
 縄文杉は一番有名ですが、無理して行かなくてももっと空いてていい森や
 杉はたくさんあると正直思います。冬に行くのは空いてていい経験
 でしたけど!
 
 また麓のカフェで一番おすすめなのはノマドカフェ。私の屋久島つながりの
 知人がやっていると知ってビックリでした。いろいろ繋がる屋久島です。