今回の聖地は、近場なのにあまり知られていないマニアックなお寺の紹介です。
ここは昔からの修験道の修行地でもあった大雄山最乗寺。曹洞宗の大きなお寺です。
なんでも道了が開帳してから600年以上らしい。

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小田原から大雄山線というローカル線も出ているというところが、きっと昔のほうが今よりもお参りする人も多くてより有名だったのでは?と思わせます。麓には宿坊などもあり、何丁目、と坂を上がっていくたびに丁目が上がっていくのがおもしろい。取材に行ったのはちょうど紫陽花がまだ咲いている七月初旬。お寺までの参道沿いに、いろんな紫陽花が花を咲かせていました。

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山門に到着。ここからまた奥の院まではかなりの階段を上っていきます。

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結界門

かなり大きなお寺なので、境内の中も広いです。結界門という「その名の通り」な場所を越えて、また山を上っていきます。 結界というだけあって、そこを越えると、本当により空気が澄んできたように感じます。いや、空気だけじゃなく、もっと別の何かも変わった感覚。何もなくても背筋がシャキッと伸びる
ような、凛とした気が溢れているような。


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修行のお坊さんの鐘や法螺貝の音、お経を読む声もときに聞こえてきます。

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奥の院に向かう延々と続く階段


350段ほどある階段をえっこらよっこらと上ってようやく奥の院(慈雲閣)に到着。
ここに、御本地十一面観世音菩薩(守護道了大薩の御本地)があるので
大体の方はここまで上がってこられるよう。なんでも奥や最後の場所にいろんなものが隠れてたり祀られてたりするんだな〜日本の仏教って・・・。いや、仏教だけじゃなくて神様全般かな? 

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帰りは階段でなく、裏の坂道を下りて本殿まで戻ります。やっぱり裏道よりも参道のほうが圧倒的に何かいい気が流れているような。

ここでもうひとつ有名なのは、天狗の下駄。巨大な下駄がたくさんオブジェのように飾られています。修験道のメッカであった最乗寺にふさわしい?天狗の下駄で、やたらめったらこれが置かれていて、和合の象徴ということで、夫婦円満などと言われているようだけれども、ご利益というよりもなんかちょっとシュールな・・・・・。なんていったらバチが当たるかしら(笑)。

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古〜い味のものからからピカピカまで勢揃い!

ところで、このお寺で不思議なものをもうひとつ。天狗の銅像?というわけで、境内にはこんな仏像があります。
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天狗像 羽根もあって飛び回れるんだそう。

これって・・・興福寺の阿修羅像の近くにある、迦楼羅(かるら)像に似てない??
そう思って調べてみたら、天狗には一説に、仏法を守護する八部衆の一、迦楼羅天が変化したものという説もあるらしい。カルラはガルーダとも言われ、インド神話に出てくる巨鳥で、初めて興福寺の仏像を見たとき、「顔がカラスやん!」とめちゃめちゃビックリしたことがあります。
それによく似たこの天狗像。なるほど、いろいろなところから繋がっているのだな〜と感心しました。

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ここにくると、私はとてもスッキリした気分になります。海のエネルギーでなくて、山のそれを感じたいとき、何か自分の気が滞って、疲れが取れないと思う時、ふとクルマを飛ばしていきたくなる、そんな身近だけれど、凄いパワーの聖地です。
 

 
 アクセス
 JRまたは小田急小田原駅より大雄山線21分終点大雄山下車。
 バスにて道了尊へ(約10分)
 車の場合は、東名高速道路・大井松田インターより20分程度。

 あじさいの季節が有名ですが、秋の紅葉もなかなかのもの。また、年中問わず
 オススメなのが、近くにある日帰り温泉施設おんり〜ゆ〜
 なんて名前だ・・・と最初は思ったものの、その後、わたしのとっておきの
 お気に入りスポットとなりました。モダン湯治スタイルと名付けられている
 シックなデザインの施設では、近くの森を散策したり、無料の三昧講座に参
 加したりとのんびりできる工夫も凝らされています。平日の夕方以降が特に
 オススメ。帰りは怖くなるくらい真っ暗な森の中にある素敵な施設です。