Dear ゆうこりん
結果が最初の思惑通りにならなくても、
そこで過ごした時間は確実に存在する。
そして、最後に意味を持つのは、
結果ではなく、過ごしてしまった
かけがえのないその時間である。
－星野道夫
この文章に出合ったとき、
「過ごしてしまった」っていう表現が、痛烈に心に響いたんだ。
わかっているかい？
何かを目指して走っている「今」こそが、かけがえのない時間なんだよ。
って、改めて言われた気がした。
どんな時も、確実に存在するのは、過ごしている「今」。
リアルに感じることができるのは、「今」、しかないんだよね。
でも、たとえ現状に満足していたとしても、
多かれ少なかれ、どこかで私たちは、
もっとこんな生活だったらいいなぁ、
もっとこんな風になりたいなぁ、なんて思って過ごしているのではないかな。
私たちは、未来があるって思って生きているから。
描きたい未来を想像しながら生きているから。
ビジョンを描くこと。
それは、とっても大事なことだけれど、
未来や目標ばっかり見ていたら、「今」というかけがえのないときを、
将来の予行演習期間みたいに思ってしまうよね。
今は、まだ不完全って思ってしまうよね。
でも、本当は、そうやって過ごしている「今」こそ、すべて。
「今」が、少し過去の自分が描いた思惑の未来と異なっているとき。
何かを目指して進んでいるとき。
この言葉を思い出す。
魂の旅である人生。
すべては、成長のプロセス。
未来を思い描くことは大切だけれど、
その一方で、忘れてはならないメッセージだと思うんだ。
過去、「今」、未来。
すべては、「今」に集約されるし、
大切なのは、バランスなんだと思うけれど、
ゆうこりんは、この言葉に出合って、どう思う？
From ひろかっち
Comment [1]
ひろかっち
これは、アラスカの自然を撮影し、
自然とともに生きた星野道夫さんの言葉だね。
彼の生き様を考えると、如何にこの言葉が深いものかがよくわかる。
彼は、アラスカの野生動物や自然に惹かれ、彼の地に住み着き、
野生のクマの写真を撮影して本や写真集、メディアに紹介していた。
そんな彼が、愛するアラスカの自然の、
愛する野生のクマに襲われて亡くなってしまう。
享年44歳。まだ子供が小さいうちの悲劇だった。
その彼が遺した言葉。
旅や自然は、自分を剥き出しにする。半端なく、容赦なく。
時には本当に生きるか死ぬかの境地に陥るときもある。
ハンパな気持ちでは生きていけない世界。大自然とはそういうものだ。
でも、その分、一瞬一瞬を生きているという実感が伴う。
私は時々、フリーダイビングという
深い海の底に息を止めたまま潜るスポーツをしている。
そこは、一つ間違えば死と隣り合わせの世界。
呼吸のない、音も少ない、色も青だけの孤独な世界。
そこから、空気と人々が待つ世界に戻ったとき、
ああ、自分を生きている、生の世界に帰ってきたのだ
と感じることができる。ものすごい実感を伴って。
生きている、というその当たり前のことを、
自分をギリギリの状況におくことによって実感する。
私はきっと、わざとそうすることで、
自分が本当に今を生きているということを実感したいと
どこかで思ってるんだろう。
虚ろな毎日を過ごしていると、どこか自分が透明になって、
消えてしまうのではないか？
そんなことを考えることが以前はよくあった。
けれど、今をというこの瞬間の素晴らしさを、
いろんなかたちで実感するにつけ、
自分が過ごしてきた、怠惰に過ごしてしまったその時間さえ、
かけがえのないものだと、今なら言える。
たとえそれが直接的で、目に見える結果や未来に続いているようには
とても思えないような、どうでもいい無駄っぽい時間であっても
それは本当は間違いなくかけがえのない時間であり、神様からの贈り物。
過去は今につながっていて、今は未来へと続いている。
今、この瞬間を感じとる力をなくさない限り、
きっとこれからも、たとえどんなことがあっても、
死ぬまで「今」を生き続けることが出来る。
未来は今の延長線上にある。
そして、たとえそれが星野さんのように短い人生だったとしても、
死ぬまで「今この瞬間」を鮮やかに生きていた人は、
誰がなんと言おうと、今もずっと幸せの中にいるんだと、私は思うんだ。
コメントする