ひろかっち

今回もまた、深い問いかけをありがとう。
この村上春樹さんのスピーチは、出た当初に動画サイトに出ていたのを見たけれど、
今回この問いを受けて、改めてまた書き起こしたものを読んでみたよ。

この部分は、スピーチの後半のほうで出てくるところ。
震災を受けて、原発災害の真っただ中にいる私たち日本人の
アイデンティティについて、いつものようにユーモアを交えながら
深い洞察をされているよね。

日本人として、今、わたしたちがここに生きている意味は、
いったいなんなのだろう？と考えたとき、ふと思い出したのが
ひろかっちの下で受けたヒプノセラピー（前世療法）のことだったんだ。

私は、自分は、誰かの輪廻転生した姿だ、とか、自分に前世があるとか、
そういうことって、ある意味おとぎ話的なものでしかなく、
その考え方を否定はしないけれど、自分とはあまり縁がない、
そんな風に今まで感じてきた。

でも、今年のちょうど震災後すぐにインドのダラムサラ（輪廻転生をしている
と信じられているチベット仏教の王様であったダライラマ１４世の
亡命後の暫定政府がある地）に行ったこと、

そして自分自身がヒプノセラピーの中で、自分の前世の記憶？が
出てきたことで、その考え方やあり方が、とても身近に感じられるように
なったんだ。

自分の過去世の記憶、それはとても不思議な感覚だった。
全然違う場所にいる人のはずなのに、熱い涙が止まらなくなった。
自分でも驚くほどの感情が溢れ出てきて、本当にびっくりした。

やっぱり自分の中には、自分という人以外の何か別の記憶や使命を
持っているのかもしれないな、とその時に改めて思ったんだ。

セッションの中で、それらの過去の記憶、自分の性格とリンクする
部分、いつも感じていた「どうして？何故私だけがこんな目に？」
という思いが、深い部分で癒されていくのを感じた。

そうか、過去の記憶も、前世の記憶さえも、
実は真実かどうかなんて関係なく、そのストーリーは
いつだって書き換えたりすることだってできるんだ。
そんなことにも気づいたよ。

事実を変えるのではなく、
自分がどこを見つめるかという「焦点」を変えることによって、
それは全く違う物語になるのだということ。

今、わたしたちが日本で、日本人として生まれ、育ち
この震災や未曾有の原発事故の中で、生き続けること。
そしてその意味。

放射能の恐怖を知りながら、正しく恐れながら、
それでも強く、明るく生きていく決意と覚悟。

その深い部分の意味はまったくわからないけれど、
太古の昔から、日本という国は地震、台風、火山爆発、もう災害だらけの国。
でもその中でこの国は発展し続けてきた。

そんな小さな国に、今、わたしたちが存在しているということは、
ヒプノ的な考えからすると、その多くのカルマを解消するために
私たちがここにいて、自分ではない過去世もひっくるめて
癒しが起こるチャンスである、ということでもあるような気がするんだ。

この災害も、自分に起こるすべての出来事も、何に焦点を置くか、
によって、その物語は悲しみの中に幸せの種を見つけるか、
それとも悲劇のままか、が分かれてくる。

どんなことが起こっても、村上春樹さんのいうように、
「それでもなお生き生きと生き続けることへの静かな決意」
が本当に大切で、

ひろかっちの言うように、どんな時代にあっても
どんな状況にあっても、果敢に自分が喜びと感じる方向へ
向かっていく勇気こそが、今のわたしたちに必要なことなんだ
と、私も思う。

そしてそのことだけが、過去を含めた自分の傷を癒し、
幸せで平和な未来につながる方法のような気がしてならないよ。

ゆうこりん