まわり道をたくさんしなさい
  あなたが尊敬する素敵な人は
  何かを簡単に
  やり遂げたわけじゃないでしょう?

    ーーー坂之上洋子『結婚のずっと前』




Dearひろかっち


何かを成し遂げるために、できれば最短距離でいきたい、と思いがちだった私だけれど、
最近そうでもないのかもな、というふうに思いはじめた。

最短距離、最速で目標地点に到達することが、ほんとうに自分のためになることなのか?
それが一番幸せなことなのか?というようなこと。

人生にはいろんな選択肢があって、幸いなことに今の私は、ほぼ自分で自由に
自分の人生をつくっていける環境をつくることが出来た。
もちろんいろんな大変なことはあるけれど、少なくとも○○があるからできない、と
いうようなことはそう多くはなくて、自分の未来を自分で切り拓く可能性のほうを
向いて歩いて行けているようには思う。

けれど、そこにこの「最短最速」理論というものがあまりフィットしないんじゃないかな
と最近は思っているんだよね。

例えば、私には本を出版したい、という夢がある。
これは本当のことで、いつかそうなるといいなとずっと思っていたし、
今はいろいろな活動をする中で、その夢にだいぶ近づいているような気もする。

そこで、もしその最短最速方式でその夢に近づこうとする場合、
例えば出版社に企画書書いて持っていって当たって砕けろ!とやれば
もしかしたらチャンスがあるかもしれない。
でも、なんとなくそうはならないのだ。

もちろんそこに「断られたらどうしよう」「やったことないからビビる」
みたいな思いは当然ある。けれど、今の自分は、そのことが理由の主ではない気が
しているんだよね。本当に必要だと思えば、今行動すべき、と心から思えたら
そんなビビリよりも、とりあえず行く!ってなるだろうというのもわかっているから。

本を出版したい、という夢、希望。
なんていうか、今はそれはいつか叶うものとしてもう心の中にあって、
ただそこに至るまでのプロセスを、じっくり熟成させているのかも?
最近はそういう風にも感じているんだ。

冒頭の文章は、そういう思いを切り取ってくれている気がした。
まわり道を厭わない。そっちのほうがいいよ!
自分の好きな素敵な人もみんなそうじゃない?って勇気づけてくれるような。

そしてそれは、仕事においても、恋愛においても、人生においても
きっと変わらないひとつの法則のようなもの。
それをいかに楽しめるか? まわり道をいかに充実させるか?

最短最速では見落としてしまったような小さな花を
これからは探していこうと思うんだ。


ひろかっちはこれを読んで何を感じたかな?


ゆうこりん