怒りはつねに、別の感情を隠している
チャック・スペザーノ『傷つくならば、それは「愛」ではない』より
今回は、とてもシンプルな一文にしてみたよ。
私にとって、怒りという感情は、あまり関係ないもの、として
今まで感じてきていたんだ。
怒りを感じるよりは、怒りの矛先を向けられることのほうが多い気がしていて、
自分はあまり怒りを感じたりしない、とずっと思ってた。
けれども、結構何度か、相手が激怒する、というシーンには遭遇している。
とくに、恋愛という場面において多く。
相手は自分の鏡なのだとしたら、これは一体どういうことなのだろうか?
とふと考えてみた。自分が表現できない想いをもしかしたら
相手が体現しているだけなのでは?とも。
この文章が書かれてあった本によると、
怒りの奥には、より深い感情が隠されていて、
それは、悲しみや喪失感、傷ついた痛み、拒絶感や復習心かもしれない。
激怒も、無力感や屈辱感、無念など、何らかの感情を隠していて、
激怒が呼び起こされるのは、自分のとくに大きな傷や嫉妬、孤独感、
燃え尽き感などに触れそうになったとき、だと書いてある。
怒りを爆発させることで、こうした傷を感じないようにするために
身を守る・・・と。
なるほどな〜と思ったのだけれど、実は私自身は、
怒りという感情が自分にあるということすらわからないほど
たぶん、自分を偽っていたのかもしれないな、とこれを読んで思ったんだ。
爆発すらできないように、神経を麻痺させるかのように、ずっと。
怒りという感情が生まれることすら拒否して、
どんなことがあっても、何を言われても、自分への罪悪感へと
それを転嫁してしまっていたのだろうと思う。
でもおそらく、認識してなかっただけで、脈々と、悲しみや
落ち込みとともに怒りという感情も絶対にあったはずなんだ。
喜怒哀楽っていう感情の中で、怒りと哀しみをうまく表現することが、
とても下手で、そんな感情はなかったことにしたかった。
けれど、そういう臭いものには蓋、的なやり方では
いつまでたってもその感情は昇華されないんだよね。
怒りを感じないようにしていた自分も認め、そして
もし自分が怒りという感情に支配されようとしていたら、そのときは
「この奥に、いったいどんな感情があるのだろう」と
より深いところを見つめていく。
やっと最近になって、正しく?私は怒りというものを
意識できるようになってきた。だから今後はもうちょっと、
怒りという感情とうまくつきあえるようになるといいな、って
思っているところだよ。
ひろかっちは、怒りとのつきあい方ってどんな風?
この文章を読んで何を思ったかな?
ゆうこりん
Comment [1]
DOORSさん
Dear ゆうこりん
「怒り」。
まさしく、これは私の人生が大きく動いていくキーになっていた部分だよ。
私もゆうこりんと似ていて、怒りという感情は、ほんの数年前に自分の奥底を見つめて気づくまで、自分からは遠いもののように感じていたよ。喜怒哀楽という感情表現のなかで、「怒り」というものが欠落しているかのように、私は、他人に対してほとんど怒りの感情を出してこなかったように思う。
そして、若いころは、時に感情の暴発という形によって、家族だけにぶつけてきたんだ。
なぜ、ふいに家族に対して、感情が爆発するという行為があらわれるのか、自分ではコントロールできないその波を理解することはできなかった。
その暴発が、怒りを抑えこんでいることで引き起こされていることには、まったく気づかなかった。
ましてや、「怒り」という感情の裏側に何か違う感情を隠しているなんて、思いもしなかった。
世の中に自分の内面で何が起こっているかを探っていくセラピーやセッションというものがあることを知り、実際に体験してから、私は、どんどん自分の深い部分での変化や振動に気づき、紐解くのが早く上手くなっていったよ。
今回ゆうこりんが選んだ文言のように、「怒りは、ほとんどの場合、二次感情である」と、先輩セラピストさんから聞いたときも、妙に納得した。
怒りの前に、寂しい、哀しい、心が痛んでいるなど別の感情が隠されている。
今では、私は、自分が悪いという罪悪感や器の大きな人間理想像を盾にして、本当の自分の感情を隠してきたことが、よくわかる。
自分を少し探っていくと、そこには「怒り」という感情が確かに存在した。
そして、もっとその奥底を見つめていくと、切なかった、寂しかった、悲しかった、心が痛かった、傷ついていたのだということに気づいた。
でも、その裏側に隠した感情に気づくことは、あまりにみじめな気持ちになることのように感じて、罪悪感という壁、怒りという壁、はたまた何重もの壁でコーティングして、見ないようにしてきたのだと思う。
その鉄壁のコーティングは、まさに体の硬さともつながっていたよ。
体はとても正直だ。怒りをためていることを隠すことはできないものね。
今は、「怒り」という感情をできるだけ溜めないように努めているのが正直なところ。
自分が、いま何を感じて、どう思っているか、できるだけその場で素直に、そのとき感じたことを相手に伝えていくように意識している。
その小さな感情の営みを、見過ごして、気づかぬふりをして溜め込むと、捉えきれない怒りとなって暴発することを、今はもうよく知っているから。
そして、怒りを感じてもいい、その裏側にどんな感情がひそんでいようともいいんだよって自分に伝えるようにしている。
そうすることで、奥に隠した本当の感情や思いが、出てきやすくなるから。
人は、気づけば楽になる。気づけば、もう変わっているんだよね。
日々の自分の微細な感覚や感情の波を大切にすることこそ、自分を愛するってことなんじゃないのかな。私もゆうこりんと同じように、自分を見つめる生き方が好きなんだ。
そんな生き方の中で、「怒り」という感情とも、うまく付き合ってゆけたら、いいよね。
From ひろかっち
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