「沢登り」。
そんなアウトドア遊びとは、生涯無縁だと思っていた。
それだけでなく、「沢登り」と呼ばれるものが、この世に存在することすら、
以前の私は知らなかった。
そんな私が、沢登りなるものを体験することになったのは、
美しい屋久島の森に恋をしたからにほかならない。
恋は人を盲目にするというけれど、
恋は人を動かす大きな原動力ともなる。
またあの森に会いたくて。
もっともっと森の魅力に触れたくて。
2011年、私は何度も屋久島へ飛んだ。
あげくの果て、屋久島に渡る公認の理由を作りたくて、
屋久島ワンダー☆ツアーまで、開催してしまったのだ♪
脳は、最初の体験が楽しいと、誰に止められようが、
またその楽しさを味わうために、行動を起こすと言われているが、
私の脳もその仕組みにたがわず、働いたわけだ(笑)
そして楽しいと、人は、誰かとそれを共有したくなる。
またあの楽しい体験を、旅しながらみんなと一緒にやりたい!!
喜びと感動を共有したい!!
そんな思いから、勢いで企画、実現した旅ツアー。
その企画の中で、遊び心満載に盛り込むことになったのが、「沢登り」だった。
アウトドア初心者で、見るもの、聞くもの、持つもの、すべてが初めての私が、
自然遊び上級者のように感じる「沢登り」に手を出すことになるとは?!
きっかけは、旅ツアーをコラボした、屋久島ガイドの友人Kくんの発言。
「屋久島には、もっと綺麗なとこ、いっぱいあるで~。
今度は、沢やな。初心者でも、楽しめる沢も屋久島には、あるで~。
めっちゃ、綺麗やで~」。
森を歩いている途中で、出くわした「沢」。
その美しさにみとれ、ため息をつきながら、
私もこの奥へ足を踏み入れてみたいと思ったのだった。
辛いことを乗り越えた先に楽しいことがあるっていう発想じゃなく、
楽しいことの先に、もっともっと楽しいことがあるっていう感覚。
まだ知らない美しい世界や感動がいっぱいあることを体感している人からの誘い文句は、
人生を生きるうえでの、上等のセールストークだと思う。
生きてくって、本当にいろんなことがあるけれど、
それでも、この世界には、喜びも感動もいっぱいあるんだよ!って、
子どもたちに伝え続けられる大人であろうと思うのだった。
(続く)
屋久島の森のなかで、出会った沢。なんともいえない神秘的な美しさが、そこにはあった。
さぁ、話を「沢」に戻そう。
屋久島の山岳図が頭にはいっているKくんに連れられて、
アウトドア初心者な娘っ子3人の珍道中の、はじまり、はじまり♪
沢登り用の足袋靴を装着して、一歩ずつ、岩場を歩き始める。
水の中に浸かったり、岩を登ったり、藪の中に分け入ったり、
小人になったかのような、大冒険だ!
前をゆく誰かの失敗が、私の成功につながって。
私の失敗が誰かの成功につながって。
そんな失敗も成功も、みんなで大声で笑い合って、助け合って。
岩に踏ん張る足も、どこに手を置こうか見極める目も、
木にしがみつく手も、全身で自然を感じられて、喜んでいるようだった。
どんどん五感が研ぎ澄まされていく。
細胞のひとつひとつが、自然のエネルギーを全開で受け取っているようだった。
すべてが新鮮で、瑞々しい体験に溢れていた。
目の前の一歩を真剣に踏み出す瞬間の繰り返し。
ただ沢を登って前に進んでいるだけなのに、無性に楽しかった!
頭がからっぽになって、楽しい!!という感覚だけで、身体中が埋め尽くされる。
無我夢中で、沢を登り続けた。
どぼん!!
水の中に落ちた。
笑いが沸き起こる。
ちょっぴり冷たいけれど、一度はいってしまえば、こっちのものだ。
濡れたくないという思いがなくなったら、さらに無邪気さに輪がかかる。
水に濡れるのも気にせずに、じゃぶじゃぶ沢の中を歩くのも気持ちいい。
本当は、どのルートを通って、登っていったっていいんだ。
岩場を選んでもいいし、水の中を選んでもいい。
藪の中をわけいって迂回してもいいし、泳いだっていいんだ。
何かを目指して登ってゆく道中こそが、喜びなんだから。
「自由に、とことん自由に、道中を歩めばいいさ!」
私の内側で人生に制限を掛けていたストッパーが、
沢登りをすることで、またしても解き放たれているかのようだった。
一方、さりげなく、私たちの体力や状態を見ながら、
必要なところで最低限のサポートをしてくれるKくん。
基本は、難関と思えるポイントでも、自力で進んでいくこと。
その絶妙な見放し感が、ここちいい。
安心できるガイドがいるから、踏み出せなかった一歩を踏み出せることがある。
私の知らない世界の楽しさを知っている人の「楽しいよ!」って言葉を信じて、
未知の世界へ、無邪気に飛び込んでいけることがある。
それは、セラピーの世界にも、人生にも、共通することだと思う。
自分が生き生きと活躍する道に、導いてくれるガイドのような存在は、
そのときどきで、人生に送り込まれてくるのだろう。
自分が、「こう生きる!」と決めたならば、
その生き方にふさわしいガイドが、いろんな姿で現れるのだ。
そして、知らないことは、できない。
単純に、それだけだ。
能力がないからとか、運がないからとかではなく、
単純に、やり方を知らないからできないだけだ。
この当たり前の概念が腑に落ちたとき、
とても楽になった。
自分の叶えたい状態を体現している、信頼できる誰かに学び、
実践してみる素直さは、人生においてとても大切な要素だ。
実践してみて初めて、感じる世界がある。
こんなに楽しいことがあるんだ!と、私が沢登りで感じたように。
そんなこの旅の沢登りの終着点は、滝の前だった。
美味しいお弁当をほおばって、みんなにこにこ顔。
満足顔で休んでいたら、Kくんが一言。
「玄人は、この滝の上のほうまで繋がっている沢を登っていくんやで~」。
ひえぇえ~!!
アウトドアな冒険は、どこまでも続くのだった(笑)
それはともかく、沢登り成功、バンザーイ\(^O^)/
はじめての沢登り。一歩ずつ、足場を確かめながら、登っていく。
難関もいっぱい。集中!集中!!
水の中にどっぷりつかるの巻。そんな体験も新鮮で、面白い!
今回の私たちの終着点。スペシャルエスコートで辿り着いた秘密の場所?!
用意してもらった足袋靴を履いた3人娘。名づけて、"沢ガール♪"
屋久島ガイドの友人Kくんと。アレンジガイドもしてくれるので、
ひろかっちの紹介とお伝えあれ!こちら→ yakushima mostrell